みなかみ、黒い空に凍える

続いて再び高崎に戻ってきた。
なぜこんなに彼方此方とウロウロしながら進むのかと言うと、店の営業時間、腹の空き具合、天気の具合、取れ高(某バラエティ番組ふうに言うと)を考えての事だ。
タイヤは無駄にすり減っているけれど仕方がない。

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高崎の革ジャン販売&ライダーズカフェ。

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とりあえずカフェに立ち寄る。
店の内装というか色使いが素敵だった。
モスグリーンのソファなんてあまり出会えない。

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ハニートーストを注文したが、ボリュームに対して途轍も無く安価だった。
甘さも控えめで、昼食がわりにペロリと平らげてしまう。
コーヒーは当然のようにファイヤーキングマグカップで提供された。

こちらのお店、3月末で閉店してしまうそうなので興味のある方は是非来店してみてほしい。

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昨年の日本一周当時は全く立ち寄る予定のなかった赤城山に来た。
赤城、と来ると頭文字Dしか思い浮かばない…。
最近はばくおん!というバイク漫画が流行ってるそうだが(既に古い?)、私の世代はキリンの少し後ぐらいでこれというバイク/自動車作品が無かった。
昨今のキャンプや日本一周を主テーマにしてバイクを絡ませたライフスタイル提案みたいな、ひ弱な(失礼)メディアならいくつか知っているが…。
乗ることそのものを題材にしたものは、現代では流行らないんだろうなあ。
話が逸れてしまった。

まだ紅葉している肌寒い空気が最高に気持ちよく、景色が目に飛び込んで来た途端力が抜けて溜息が漏れてしまう。
どうやらそういう発作の病に罹っているらしい。

山頂の覚満淵を見た後、赤城山神社へ。
赤い鳥居と黄色い紅葉が引き立てあっていて、冬に完全に移行する手前のわずかな季節。実に美しかった。

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山頂の赤城大沼は湖のように穏やかだった。
昼下がりの日差しを受け、行ったことはないが、浄土のようなゆったりとした風情があった。

想像していた赤城山とは全く異なり、驚きつつも癒された。

日没も近づいてきて、行くかどうか迷ったが赤城山を日光方面に吹割の滝へ向かった。


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名前からして特殊な地形の滝と予想していたが、岩のなした渓谷を流れる水が侵食崖にすべり落ちていく様は見応えがあった。
滝を見るポイントはだいたい滝壺側にあるが、ここは上から見る仕様だ。
落差はたった7メートルしかないが、「東洋のナイアガラ」と呼ばれ天然記念物にも指定されている。

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冷え込む山中でひとり、夜を迎えるのは街で育った私には耐え難い。
再び17号線を下り、途中の温泉に立ち寄ってから前橋市街を目指すことにしよう。
国道17号は新潟と群馬の県境から、関東平野に向かって流れる利根川に途中まで沿うようにして南東へ向かっている。
みなかみの辺りは、前回法師温泉に向かう際に北上したがこの道路は走っていないかもしれない。

道幅狭い対面通行の上、通行量は多く、真っ暗になりぐっと冷え込んだ路面には夜露が降り始めていた。
防寒着を着込んでいてもガタガタ震え始める唇を噛み締め、アップダウンや縦溝のある道路を進んでいった。
こういう場面では、直立するしかない画面の前に立ちすくみ、目の前を流れる映像の中でただ倒れないように踏ん張っているだけのように感じる。
そこに意思はないし、身体に当たる風も感じない。
残り僅かの集中力と、冷えた体温を逃さないように意識を握り締めておくだけだ。

途中で見つけたコンビニに震えながら入った。
店内で食事する事は断られたため、苦し紛れに温泉施設の死角でこそこそと咀嚼した。
感覚を失った指先を精一杯の力で動かした。
口に運んだ食料も、ほとんど冷めてしまっている。
なんて惨めなのか。体温を削ってまで私は何をしているのだろうかと自問する。

行水を済ませ、外に出るとびっしりと水滴を付けた二輪が静かに私を待っていた。
今夜の宿までもう少しがんばろう。


ナットクロージング→覚満淵→赤城山神社→吹割の滝→奥平温泉遊神館(入湯税別)→前橋ネットカフェ


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# by aroundjapan | 2018-03-11 09:41 | 2017 バイク旅 | Comments(4)  

脱・広大な関東平野

朝起きたら適当に、持っているものを食べた。

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9時過ぎに国宝であり重要文化財であり世界遺産でもある、富岡製糸場に到着。
途中の国道254はなかなか昭和の趣があった。
誘導された駐車場からは富岡の古い町並みを少し歩く。
見学は千円で、200円追加するとガイドツアーに参加出来るそうなので有閑の私はそいつに乗ってみた。

富岡製糸場は、明治政府の殖産興業というスローガンのもと官営製糸工場として設立された当時世界最大規模の工場だった。
世界遺産に登録されて日が浅いため、平日にもかかわらず観光客はそこそこいた。
ガイドツアーに若い人は私一人だった。
建物は南側の繰糸所を中心に東西に置繭所が位置している。
ほぼ全ての建物の柱に木材を使用していて、初めて見たが木骨煉瓦造というらしく保存状態も良い。
特に妙義山の杉を調達する際には、樹齢の長いものを必要としたので天狗の祟りがあると恐れられたそうだが、近代化と引き換えに了承されたとか。
反射炉で鉄の製造を始めて十数年だったはずだから、いま簡単に手に入るあらゆる資材が安定的に供給される時代背景ではなかったのだろう。
レンガに関しては横方向に長短と並べるフランス積みをしたらしい。
レンガの積み方にも区別があるとは驚き。
日本には当時レンガそのものが無かったため、埼玉の深谷から呼んできた瓦職人が重宝されたそう。
レンガの焼成も黒→赤→白という具合にカラフルになっているのは、職人の技術が建造に追いついてなかったようだ。

東置繭所の外観から見たが二階は繭乾燥用の通風確保のため開口部になっていた。
ガラスもまだ当時の日本では作る技術が無くて輸入品だそうだ。
煉瓦造は、明治後半にはより強度を確保出来るイギリス積みへと変わっていく。

アーチ造の象徴的なキーストーン。

続いて繰糸所へ案内された。
外観的な特徴として、東西長140メートル余、恐らく換気の為てっぺんは越屋根になっている。
当時は電灯がないから採光の南側配置に、これまた開口部。
明治5年10月4日に創業した富岡製糸場であったが、昭和に入り片倉製糸工業に買い取られ昭和末期まで操業は続いたそうだ。

内部空間を広く取れるようトラス造で柱の少ない構造としたため、工女たちは建物が崩れないか怯えていたそうだ。
現代で建設を学んだらまず初めに学ぶ事になるトラス構造も、当時の日本では(ここ以外)全く見ることが出来なかった筈だから当然かも知れない。


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昭和末期に操業を終えた繰糸器械は、同じ型を未だに利用している工場もあるとか?
幼い頃親戚に買ってもらった毛糸を編むおもちゃを思い出した。

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「繭はお風呂に入りながらバケットでやってくる。」
お風呂なんて可愛らしい表現をされているが、実際は中の蚕を殺すため熱湯に漬け込んだそうだ。
しかも当時はさなぎごと下水に直送していたらしい。(今は水質汚濁防止法で不可)
養蚕は日本各地の農村でその後生産が活発になるため、日本一周時に各地で目にした。
見た目がアレなので活用して食べるのも嫌だけど、せめて慰霊碑を作ってあげたい。

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工場の奥には映像で、稼働当時の様子が流れていた。
雇われた工女は全寮で食事付き、医療費無料の7時間45分労働だったそう。
なかなか条件は良い。
国を挙げて工女を集めるのに如何に力を注いでいたかと言うのは、責任者の娘である横田英が実際に工女に名乗り出たことからも計り知れる。
彼女は本も記していてその筋では著名な女性だそう。
工女は当時まだ、ビタミン不足が原因のかっけや赤痢に悩まされたそうだ。
一等工女の給料について説明があり、当初はかなり貰えていたそうだが、お雇い外国人ポールブリュナの有り得ない高給などが問題になり3年目に解雇され、経営は悪化。
民間企業に引き渡される。
当時の製紙工場の中で富岡は全然マシな方だったようで、明治期に酷使された工女たちの話は「あゝ野麦峠」に詳しい。

外国人の館には、地下室・食料庫・シェルターなどがありこれらの設備は生麦事件に怯えたからだそうだ。

ツアーは全体的に和気藹々とした雰囲気で終わった。

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蚕から生糸を実際に“よる”実演をしていた。
館内には生糸生産者から仕入れたお土産品などが販売されており、群馬の山間の町にしては意外なほど賑わっていた。

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懐かしいバイク、ホンダのCD125Tが店先に停めてあり、雰囲気が出ていた。
バイクに憧れた時分、いいなぁと思っていたが最近はこのバイクを滅多に見なくなった。

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近くにあったのでこんにゃくパークに立ち寄ってみた。
広大な駐車場に2人ほど配置されていたが、仕事していない警備員の横を通過する。
ここにも「つる舞う形〜」を発見。

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内部は一階が販売・試食コーナー、二階が工場見学コーナーとなっていて割と長いこと歩かせられる。

こんにゃく芋は、群馬県がダントツの生産量日本一。
展示されているこんにゃく芋の長さに驚愕。実が特にキモイ。

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糸こんにゃくを1秒あたり何個も巻く人が居るのかと思って期待しながら見ていると、どうやら機械で巻いたのを詰め込むだけのようだった。

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試食コーナーに行ってみたが、無料な事もあり行列。
時間なら余るほどあるので食べてみることにした。
ツアーで来たのだろうか、高齢者ばかり。
無料と言ったら飛びつくのも、何というかそういう様子を見続けるのはウンザリしてしまう。
15種類以上の試食があり、主たる原材料はもちろんこんにゃく。
調味料や料理法でこんなにも味と食感が変貌するのかという驚きがあった。
きつねうどん風、ラーメン風、タコの唐揚げ風が好みだった。


後半へ続く

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# by aroundjapan | 2018-03-06 23:21 | 2017 バイク旅 | Comments(0)  

自販機食堂

某SNSで群馬のドライブイン情報を収集していたが、なんと3年前に新規オープンした店があるとのこと。
これは行ってみねばなるまい。


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愛車で到着、ドライブイン。
ドライブ中の休憩にしてはずいぶんと遠くまでお越しですね。
長距離ライダーですか。
ええ、まぁ。
(ドライブインに通常店主はいないためイメージです)
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実際に店舗に来てみると、写真を見て想像していたよりこじんまりした印象だったが内部は驚きの充実ぶり。
また出会えたトーストサンド機。
細かく書いてある張り紙には、期間限定のサンドも登場するようで管理されている店主のこだわりがうかがえる。
それだけではなく古いマシンを使用しているため、不調のときはゴメンネ的な断り書きも。
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オリジナル販促品の販売ももちろん自販機で行っている。
右の機械はお金を入れてレバーを下に下げるタイプのもの。
子供のころカードやシール類の下敷きなどで見た気がする。
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販促品で一番デザインが好きなロゴマークシールを購入。
こちらはお金を入れて番号ボタンを押すと扉があくもの。
少数生産のため価格はこれ以上下げられないのかもしれないが、キーホルダー600円など他のドライブインより良心的な値段設定。
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ハンバーガーマシンも中身はかなりこだわっている様子。
お洒落なハンバーガー屋には雰囲気こそ敵わないものの、300円であったかいバーガーを食べさせてくれる素敵な機械だ。
ハラペーニョ・マヨネーズ・ガーリックのメキシカンバーガーを選んでみる。

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ドリンクは瓶で売られているジンジャーエール。
栓抜きはマシンに付属。持ち運び?型もかかっていた。
昔の鉄道は窓際に、栓抜きになるものがついていたらしい。

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窓のロゴマークの隙間から愛車を眺めつつ、ジンジャーエールで乾杯。
ハンバーガーを食べることにした。

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サイズこそ小ぶりなものの、パテはかなり厚みがあった。
ハラペーニョのピリ辛が、あまり特徴のないやさしい味のハンバーガーにパンチを入れている。

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自販機の調子によって、中身が冷たい場合もあるそうで(イラストではなぜか「自販機が調子に乗って」と書かれている笑)そこは製造から40~50年経過した老体に鞭打っているためご愛敬。

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常駐していない店主(おそらく本業は別にあり?)が独特のタッチでイラストを貼りまくっているのがなんとも和む。
なんでも店主は亡き母親の営んでいた喫茶店を改装して開店されたそうで、店を盛り上げたい気持ちが伝わってくる。
脱力系のハラペーニョくんとメキシカンなイラスト。
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昔懐かしいおもちゃ消しゴムの自販機も片隅にあり。
わかるようで微妙にわからない世代の私。
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他にも昭和の遊びマシンも。
ジャンケンポンは小さいころ母の帰省についていったときに、レトロ商店街(今はない)でよく遊んだな。
他のは当然わからないが、賑やかしいゲーム音声や集客の呼びかけが延々と流れていたが、これが唯一の店のBGMとなっていた。
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トイレの蓋に貼られていた懐かしいメンテナンス用ステッカー。
これも実は店主が自主的に復刻したらしく、よほどの昭和自販機オタクであるとうかがえる。
しかしこのステッカー(当時もの)と数日後に再会するのだが、この時はまだ知らない。
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ラーメン自販機に関するこだわりと断りを同時に伝える張り紙。
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こちらがラーメン。
自販機ラーメンは西日本も東日本も、食べた場所では皆同じソフト麺。
自販機で温めるという構造上仕方ないと思うがソフト麺はあまり好きではない。。
その他の具材は申し分なく美味しい。

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かわいいイラストを見ながら今度は店の奥のカウンター席で食べた。
自由に読んでいい本棚があり「お前はまだグンマを知らない」という面白そうなご当地漫画があったので、一通り群馬について学ぶことが出来た。
特に群馬県は上毛や上州と言われ、県民に広く浸透している”上毛かるた”より、平面的にツルの形をしているという事を初めて知ったがこれは群馬県各地で目にすることとなる。
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たくさん食べると日がすっかり暮れていた。
ごちそうさまでした。


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# by aroundjapan | 2018-02-18 02:29 | 2017 バイク旅 | Comments(2)  

鶴舞う形の群馬県

昨晩早く寝たら、快眠できて朝7時には目が覚めた。
煙草の臭いにも慣れてしまったのか(可哀想に)気にならなかった。

部屋で地図を眺めてルートを決め、朝食が簡単にあると聞いていたのでロビーに降りていくと、昨晩若旦那に受付してもらったときに視界の端にいた男性は彼の義理の父であり、先代の店主ということがわかった。
家族経営らしい宿の狭いロビーでロッキングチェアに腰かけた先代は、雇いの年配女性と友人のように会話しながら、あのバイクはトライアンフかと私に話しかけた。

良い方ではあったが、なんとなく高圧的なものを感じ取り、最後まで褒めておくことにした。
今から書くことは、感受性の高い旅人は共感するかもしれない。
くたびれた革ジャンとジーンズは、私を表す一側面に過ぎないと思っているが、世の中にはそれが全てだと見る人も多い。
多分私は彼に見下されていたのだろう。
コーヒーのお代わりを勧められたのでお願いし、彼が出掛けると一気にそれを飲み干した私も腰を上げた。
うん、まぁ善意の朝食サービスに免じて然るべきやり取りかもしれない。

どう立ち回る事で世の中が上手くいくか(自分の中で理屈が通るか)わかってしまうのもつまらない事かもしれない。
寿命の3分の1ほどをやり過ごしたいまの私は、図太い人間の方が人生を楽しんでいると確信しつつある。
だが彼らの楽しむ図太さは私の思う破滅、幻滅といったところだろう。

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雲のない秋空に救われる気分だった。
埼玉県を跨いだ先に、飛地のような群馬県館林市は存在した。
風が相変わらず強かったが、それを除けば川の土手はのどかで平和だった。
太田から館林に行く経路は、油断するとすぐ左折レーンや右折レーンになる道路が多く戸惑う。
いわゆる旅行者にやさしくない道路だった。
邑楽…という地名はなんて読むの、と思いながらたくさんの青看板の下を通った。

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近所で協力して稲刈りの始まった田圃の一角に南国の木が生えていたのが意味深だった。
しかし、秋の空はどうしてこんなに気持ちがいいんだろう。

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館林の駅前にあるうどん屋に来たが、私の目的のメニューは午後からの受付との事で、2時間弱の待ちとなった。
店員に時間の潰せる場所を聞くと駅の反対側にある日清製粉ミュージアムと言った。
駅の高架を登って降りていくと目の前は再開発工事中のようでほぼ更地だったが、駅舎の裏には立派な建物があった。
200円で見学できるそうで、以前から製粉のことをもっと知りたいと思っていたので迷わず入館した。

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一つ目の部屋には日清製粉の商品が並べられていた。
商品にはあまり興味がないので流す。

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小麦粉にまつわる知識を画面で紹介するコーナー。
他に誰も客がいなかったので、ひとつひとつつぶさに読み込んだ。

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画面にはイラストや振り仮名も入り、子供にもわかりやすいよう配慮されていた。
現代の日本で暮らしていると、米中心の生活を心がけていない限りは通常パンやウドンなどで、小麦を1日に一回は摂取していると思う。
それなのに無知すぎた、と思うほど初めて知ったことが多い。

例えば県別生産量。
一位はもちろん北海道だが、二位はなんと福岡県だそうだ。
寝耳に水。全く知らなかった。

日常なんとなく目にする大麦・ライ麦・燕麦(えんばく)の違いなど。
これらの違いを意識した事がないというのは、加工食品に慣れていて、自分の食べるものに興味がないという事だ。
他人と相対すると米よりパンが好きな人間だが、恥だと思った。

それと収穫量を何でも東京ドームに例える傾向はどうにかならないのだろうか。
東京ドームより1.5倍ほど大きい福岡ドームや、同じく野球チームの熱い名古屋ドームを擁する他地域の人は想像しにくいよ。

水車や風車、蒸気機関を利用してロール機を動かしていたこと。
もっと昔では、風を送って選別する農具でフスマを風選したこと。
ロール機と違い、石臼ではふすまも砕かれて選別しにくくなるため近代はロール機が発達した事。
ロール機の歯車は左右で回転速度が違うそうだ。
歯車はミクロン(10のマイナス3乗ミリ)単位で隙間の調整をするそうだ。私の専門ではないが工業製品の質の高さをうかがい知る。
粉末になった小麦は、シフター(ふるい)に掛けられるが、これは天井からしなやかな素材で吊られている。
どういう仕組みで動いているのかと思ったら、おもりの偏心で動いているそうで、これは携帯のバイブレーターと同じ機構だそう。
中身は単なる積層ふるいである。
単純な仕組みの方がメンテナンスが簡単でいいと思う。

また、パスタの種類で聞くセモリナは粗い胚乳のことだそう。
こうしてふるい分けされた粉末は、ピュリファイヤーで吸い上げ、空気の力で搬送される。
完成した小麦の粒は1〜200ミクロン。ちなみに比較で同単位のもの、髪の毛直径は70、スギ花粉は20、PM2.5は2.5だそう。
ふすまは主に人間の食べるものには含まず、家畜の餌となる。

色々知ったが、単純な機構の機械に日清製粉以下の何万人もの社員が支えられているんだなと感心した。

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施設を見渡しても相変わらず他の客はいないが、入場料の割に見応えがあった。

中でも面白かった展示方法が、選んだフィギュアを指定位置に置くと映像が流れるもの。
普通にボタン選択式でないところが凝ってるなと思った。
手話付きの映像なのも珍しかったし、工場の流れ作業の動作は袋詰めで揺れている動作はかわいいところがあったり、かっこいいと感じた。
子供に訴えかける仕組みにしてあるのかもしれない。

単純な機械でさえ、戦前はドイツ・アメリカ製の機械が優れていたみたいだ。
日本はやはり戦後から産業が始まったに等しい。

さらに施設を移動。
本館では日清製粉の起源を中心ビデオ学習できるのはいいが、座れなくて少々辛い。

1900館林製粉 正田貞一郎の話。
日清製粉の初代社長は横浜の旧日清製粉を吸収合併。
館林は小麦の生産地として東武とともに発展したのね。
鉄道の起源は輸送したいものの生産とともにある。
アメリカの効率、ヨーロッパの品質管理に感銘を受けた彼は吸収合併しながら国内の業務を拡大。
横浜・鶴見工場が東洋一の規模を誇ったとか。
戦後食料危機を乗り越えるため小麦を輸入、生産能力を回復して危機を救うため奮闘とあったが、なぜ生産力が低迷していたのだろう?
1949昭和天皇が鳥栖工場へ。
フジパン・神戸屋・ヤマザキなど私たちの知りえる製パン業者も登場。

1960年代にインスタントやレトルトが登場したそうな。
正田一族の典型的な世襲、とあるが皇后美智子妃は正田一族出身だったことを、私たち以下の世代は知らない人のほうが多くなっているかもしれない。
今いるここは、旧工場本館の部材を用いて建造されたそうだ。
しかし見学していても冷える。早く昼食にしたい。
もういい時間だったので切り上げて(記念品のお好み焼き粉はしっかり貰う)駅の反対側に戻った。

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名前を告げてあったので、店頭の行列をかわして着席。
もちろん注文は鬼ひもかわ 冷 麦豚 ¥950
平日だったが昼間は忙しいらしく、店員の女性がせわしなく動き回っていて慌ただしい。
うどんについてだが、薄くて平たい麺はもちろん、麦豚がむちゃくちゃ美味しい。
半熟卵と出汁を絡ませて食べるとうどん界の頂点級の一品となる。
麺を噛むのにあごの力が必要だが、持久力が尽きたところでちょうど食べ終わった。
好物しか入っていない丼で、この旅一番の大満足な食事だった。

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近くに菊竹清訓作の館林市民センターがあるそうなので見学に来た。
今日は秋晴れで本当に爽快。
館内を見させてもらったが、高齢の男女の社交場になっていた。
バイクのそばで青空をバックに写真を撮っていると、気をつけてとおじいさん。

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引き続いて宇都宮のWさんおすすめ、茂林寺。
こちらは参道両側に大量の狸がいる。
日本昔話の分福茶釜で有名な寺だそうだ。茶釜が今も収められているらしい。
茶釜キーホルダーの作りが細かいので購入。
参道の狸には端切れを用いた手作りの着物が着せてあり、写真右手には菊の花直売会ふうな催事がやっていたので地域密着型のお寺という印象を受けた。
狸のほとんどは温厚そうな顔つきをしていたが。
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怖すぎるんですけど・・。

出発後再び高崎方面を目指す。
群馬発祥のコンビニ?セーブオンにて休憩。
日本一周の際、新潟のキャンプ場そばにあったのを思い出し嬉しくなった。
ドリンクを購入するときに「セーブオンってどこのコンビニなんですか?」と店員に尋ねると、「群馬のコンビニですよ(複数人で嘲笑)」という対応をされたので聞かなきゃよかったと思った。
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オレンジハットというドライブインに寄り道。
チェーン店のようだが、看板にもかなりの年季が入っている。

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オレンジハット茂呂店。
この構図を見たら思い出すかもしれないがゲームの景品は大人のDVDなどだった。
嗚呼、そっち系ドライブインでしたか。
すれ違う客と目が合わせられない…。

精神的に萎えてしまったのと、走行中、チェーンから異音がすると思いバイク屋を検索して立ち寄る。
店主に軽い調整をしていただき調子が戻った。
店を営んでいるご夫婦に福岡から長距離旅行中と告げると、心配してくださりツーリング情報をたくさんもらった。
近日行くつもりの赤城の道路は、凍結が心配だったがまだ大丈夫だそうだ。
コーヒーやお菓子をご馳走になってしまったのと、今後の走行に備えてワコーズチェーンルブ¥1600を購入。
とても良くしてくださりバイクの調子も最高。群馬の印象は持ち直した。
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犬の散歩をしているところを、夕焼けが低く照らしていてとても印象的だった。

以下のドライブインにも立ち寄ったため別ページを作成。
自販機食堂
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宿は再び高崎。
宿の地階は駐車スペースとなっていて、車両にかかる雨や夜露を凌げるため地味にありがたい。
主人は40~50代の男性で、少し前までバイク乗りだったらしく嬉しそうに一緒に地図を見ながら話してくれた。
位置は昨日と同じようなところに取ったのだが、部屋の構成が全く一緒だったので驚いた。
バブル期に一斉に建てられたチェーン店が廃業して別経営になったというところか。
煙草臭くないだけ今夜は幸せになれた。

走ったルート(不定期)
ビジネスホテル→r17→r50→r17→k276→農道→k314→日清製粉ミュージアム→館林駅花山うどん→館林市民センター→分福茶釜の茂林寺→r354→k14→オレンジハット茂呂店→二輪店→k24→k142→自販機食堂→r354→ビジネスホテル


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# by aroundjapan | 2018-02-13 15:11 | 2017 バイク旅 | Comments(6)  

ドライブイン七輿

2017年現在、少し前にNHKで放映されたのをきっかけに、ドライブイン・自販機ブームの波が来ている。

九州地方にはほぼ現存しない(2016年鹿児島では一機実働)ため、私と懐かし自販機とのインターネット上での出会いは、20歳を過ぎた頃。

当時、某懐かし自販機のサイトで存在を知った群馬県のドライブイン七輿だったが、ついにその地を踏むことが出来た。
某サイトではその頃より現在に至り、日本各地で繁栄した自販機を廃業そのときまで愛でるべく、経過観察のごとく粛々と更新が続いている。

そんな、懐かし自販機・ドライブインの聖地と言っても過言ではない群馬県の占めるシェアは全国に点在するもののうち2割弱!

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一発目から感激の嵐。
到着したのは冷え込み始めた夜だったが、孤独に輝く電灯が数十年前より看板を照らしている。
シャッターを押しながら、この記事を書けること、そして数日間の充実した群馬ライフを約束されたようでにんまりしてしまう。

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入り口側外観。
ネオンがいかにもドライブインという印象。
パチンコ屋でさえも、こういった種類のネオンは現在では使用している店が少ないので懐かしさに駆られる。

しかし、思っていたのと違うなぁ。
広い駐車スペースの奥まで歩いてみる。

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あぁ、これだ。
この看板を見てここに憧れたんだ。
残念ながら、インターネット上で見ていた当時の看板より随分色褪せてしまっていた。
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入店してみると先ほどの赤看板のスペースは事務所になっているそう。
群馬ローカル的には、懐かし自販機の聖地であることを自覚し最近まちおこしに利用しはじめた・・という内容の新聞記事などが貼られていた。

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店のステッカーを作ってみたらしい。
私のようなマニアの記念来店向けのはずだが、どうにもデザインがしっくり来なくて購入に至らず・・。
トラック用なのか、やけに大きいし。

下段にはかわいらしい包装を施されたラベンダーまくら(?)
長距離トラック運転手に癒しを提供したいといったところだろうか。
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こちらにもラベンダーのポプリ人形、手作り七ちゃん地蔵。

私「う、うん・・・」


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店内節電のためか暗い。
室内照度に比べ、やたら自販機のパネルが発光しているため近くに寄らないとなにを販売しているのか分からない。
大きく、左からカップヌードル・ドリンク・女子トイレを挟んでハンバーガー・トーストサンド・男子トイレを挟んでカップヌードル・うどんそばラーメン。

店構えの割りに自販機台数はこんなものか、といったところ。

自販機とか何かよりとにかく言いたいのが激しくショ×ベン臭い。
これはホカホカした汁物を食べることは体調をよりスムーズに悪化させることになりかねん云々と直感で思ったので、一つだけ選んで軽く食べてお暇しよう。
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よりによって男子トイレ横の下部から排出されるトーストサンド(ハムチーズ)選んでしまった。
シチュエーションは底辺であるが、トーストサンド機初体験なので嬉しい。
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卓上の調味料類にもいちいち、給食当番のエプロンのように名前が入っていて和む。

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温まったアルミホイルブツが男子トイレ横の下部より排出された(強調)
このままだとぺしゃんこ過ぎて食べ物には見えまい。

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室内も寒いのでインナーグローブを着用したまま捲る。
なるほど、こんなものね。
230円の割にたいしたことは無い。インスタ映えなんて、もっての外。
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味も普通。温められているのでその点は口に嬉しい。
決して人に薦められる食べ物ではないが、興味のある方は是非どうぞ。
文句を言いつつも、九州から来て食べている変態は私です。
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ゲームにはあまり興味が無いのと、先客が何人かいたので見ずに退店する。
ネオンとW650を記念撮影していると、窓ガラス越しに怪訝そうに私を見つめる男性が居たが、私は構わず撮影を続けた。

(完)



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# by aroundjapan | 2018-01-15 15:38 | 2017 バイク旅 | Comments(0)