京都を訪ねる
朝起きて革ジャンを羽織り、ブーツを履いた私は先斗町をめぐる疎水の水路を辿った。
夜とは打って変わって、午前10時になろうかというのにほとんど人が歩いていない。
遅い時間にもかかわらず、店内はごった返し、レジには行列ができていた。
水路沿いに少し歩いて行くと休憩用のベンチがあったため、そこに腰かけて食べることにする。
水深の浅い水面で、鴨も一緒に朝食タイム。
水路の向かい側には賃貸アパートの窓があり、生活感が丸見えだ。
彼に聞いた庭園の無鄰菴を訪問。
入園料を支払って、見学することにした。
何かと思い行ってみるとこの景色。入口側から見える景色とは全く違う。
歩いて一周すると5分もかからないぐらいの狭い庭に景色を作る技術。
国土の限られている日本全体がそういうものを持っているが、都のあった京都人はその中でも特に秀でていたに違いない。
そういうことで無鄰菴は後にした。
(実は予定の時間が迫っていたため、じっくり見ることができなかった。)
こちらは1日2部だったか、完全予約制だ。
もちろん普通の美術館とは全然違う。
京都に立ち寄るつもりだったので、前もって予約しておいた。
重森三玲自身はとうに亡くなっているが、重森家のご子息らが自ら管理と案内をして運営されている貴重な施設だ。
もちろん施設は傷みを早めないよう、限られた場所にのみ立ち入ってもよいというルールだ。
江戸中期の建物であり、公開は2005年から行なっているらしい。
ぐねぐねと動きを持った岩は生きているようで、見る角度からその表情を変える。
海に浮かぶ島々を表現しているそうだ。
しかしやはり、こちらも面積的には小さな場所に岩を詰め込んだ坪庭のような様相だ。
頭の上にある提灯はイサム・ノグチの作品。
襖を開ける金具が桃の形をしていたりと、男性でもこういう装飾の趣味の人がいるんだなぁと感心してしまう。
隣の茶室には、襖絵に付け書院がある。
付け書院とは一部出窓になっているような部分だ。
縁側はけやきの一枚板で作られているそうだ。
茶室は襖絵、照明も重森三玲の作品だとか。
イサム・ノグチや荒川修作と同属性の総合芸術家という所だろう。
目の前の三和土(たたき)はモルタルにベンガラを混ぜることで赤みを持たせているらしい。
私の住んでいる家とは全く違うため、勉強になることしかない。
写真の右位置に、ここに来たからには見なければいならぬ茶室があるが撮影禁止。
想像はしていたが、客の多くは自分の両親ぐらいの年代の方がほとんどだった。
何度か来た中でも今回は全く違うベクトルで京都を見てみたが、これからはこの方向で訪ねてみたい。
昼過ぎ、曇っているがせっかくの紅葉シーズンに京都に来たので南禅寺へ。
こちらには駐輪場もあり、昨年見に来た土木遺産の水路閣もある。
一時間ほどかけて大阪府の高槻市へ。
旅仲間のYちゃんがバイクを買ったらしいので待ち合わせている。
思い出せるかしら。
岩手県の福田パン!
なんと岩手で修行した店主が大阪に出店した店とのこと。
スパゲティときな粉あんを購入。
この写真は、初めての2ショット。
Yちゃんとは開聞岳を登って約半年ぶりだった。
夕陽色の残るなか船は出航し、あっという間に日は暮れた。
海から見る橋梁もなかなかいいものだ。
Uさんファミリーや神戸に住む旅仲間のことを思い出す。
バイクで旅をするごとに、今見ているこの景色の中に知っている人がどんどん増えていく。
マンボー京都三条→歩いて進々堂→先斗町バイク駐車場→無鄰菴→吉田神社にバイク停めて重森三玲庭園美術館見学→高槻ゆうきぱん Yちゃん待合せ→近くの公園→給油 高速で大阪南港
by aroundjapan | 2018-07-07 23:40 | 2017 バイク旅 | Comments(2)