軽井沢から浅間へ

目覚めは最悪。
久しぶりの野宿はやはり私には堪えた。
夜中3時頃まで上手く寝付けず。
ヒト気のない付近を若いふうの男性も車中泊なのか、うろついていたので落ち着いて眠れなかった。

夜が明けたら大人しく撤収し、バイクの露を拭き取る。
空を見上げると、そんな私とは裏腹の快晴。
素晴らしい一日が始まりそうだ。

まずは県道33号を抜けて18号へ入る。
榛名山の麓はこれと言う特徴は無いが、走り回っていて飽きない。
ここでバイクに乗らない事は、宮崎でサーフィンしないのと同じぐらいもったいないことに思える。
横目に見た峠の釜飯屋は、W650と初めて長野へ出かけた時にサービスエリアで出会ったものだ。

鉄道遺構の碓氷第三橋梁へ。
仕事関係の書籍で知った近代土木遺産であり、国の重要文化財でもある。
樹木の葉が風に舞う。

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どうしても煉瓦造の橋梁とバイクを写真に収めたくて、第六橋梁の黄色い絨毯まで。
落ち葉はそれほど積もっていなかったが、この先道路にも何箇所か見かけた。
落ち葉は氷上より摩擦係数が低いらしいので注意して進みたい。


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朝食は軽井沢のベーカリー沢村へ。
偶然の3連休で秋の軽井沢を楽しみに大勢詰め掛けているが、構わず防寒着で中へ。
8時半頃だがすでに駐車場も満車で、バイクは停めさせてもらえた。
店内行列しているため10分以上立ったまま待つ。

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テラスに案内され今までの人生でも朝食にしてはかなり高価、沢村のモーニング。

皿にバターらしきものが入っている。
ベーコンがさっぱり塩味で美味しい。
肉厚で、味の濃い鶏肉のような具合だった。
パンの真ん中にサンドして食べてみた。

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軽井沢は元々都内に住んでいる時に訪れて好きになったが、2017年放送の某ドラマの影響で秋の軽井沢をもう一度走りたくてうずうずしていた。
ドラマに出てくる軽井沢駅。
当然、こんな私だから公共交通機関で軽井沢へ来たことはないが…。

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一人で行動しているとどうしても行動が早まきになってしまう。
と言うわけで、10時には渋滞気味の国道18号から千住博美術館へ到着。(内部撮影禁止)

金沢21世紀美術館で知られる建築家・西沢立衛の設計したコンクリート打ちっ放しのレベルが定まっていない空間を楽しむ。
かなり傾斜が付いていて、地面の高さそのままらしい。
床スラブ面は手で均した跡が見えるけど、地山のままだからだろう。
クラックが入って来ていた。
中央に植栽された中庭があり、間接的にやさしい明かりが差し込んでいた。
天気がかなり良いので、所々直射日光が照らしていたが絵画保護用に一応カーテンはしてある。
床にアルミの、客をなんとなく誘導しているようなラインが入っていた。

全体に筆を用いた、自然の持つ一瞬の勢いを静かに表現したものがメインであった。
赤坂サカスの陶板画の原画もあり、大振りで迫力があった。
タッチの明快な作品もいいが、ここにある作品はいくらでも観ていられるので好きだ。
中でも 光 という作品が良かった。
見ている間、光と闇 朝と夜 空と海の混沌を漂う気分がした。

星の降る夜に という絵本も館内に置いてあり、表題通り物語の舞台は子供の知らない夜の世界。
幼い頃にこういう情緒豊かな絵本もあると心に残るだろうなと思う。
小さい女の子がワンピースの裾を広げて満点の星空から落ちて来る欠片を拾う…という絵本が家にあったが、群青の空に黄色く輝く星の色使いが綺麗で好きな絵本のひとつだった。

館内のインスタレーションとして、映像作品の展示があったがこれも良かった。
一つの絵画をプロジェクションマッピング方式で見せ方を変えて進展していく。

途端に暗転した悲痛な弦楽器の音に合わせてゆっくりと四季が変わる。
静止しているはずの滝の絵画は、本当に飛沫を上げているようで、晩夏 などの朱が鮮やかな作品との色彩感覚や時間的感覚は日本の四季が上手く表現されていて見事であった。
インスタレーション自体の演出者も、作品の見せ方をよく理解されていると感じた。
飛沫は実は、筆を横にたくさんくっつけたような道具で描いているそうで、作品は道具によるものではなく魂によるものだなぁと強く感じた。

こちらの施設は軽井沢のパンフレットで何度か目にしていて、知らない画家と敬遠していたが一気にその世界に引き込まれた。
作品と建築物見学の意味で2度、いや併設された浅野屋のパンで3度美味しい美術館なので是非軽井沢に行かれる際は立ち寄ってほしい。


と言うわけで、パン屋に入ってしまうと買わずにはいられない。
かなり奇抜な屋根のパン屋だが味は普通に美味しい。(上写真)

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渋滞にすっかり巻き込まれながら辺りをうろつき、旧軽井沢銀座のあたりまで戻ってミカド珈琲へ。
外車に乗った年配の男性達のツーリングの道向かいに孤独に停めて、モカソフトだけ買って食べる。
変な女だと思われていようが、今が楽しくてしょうがない。

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すっかり昼時だ。
ドラマのメイン舞台となっていた煙事へ。
勧められるがまま、チーズスティックを賞味。
パンにチーズが挟んであるのかと思ったら、パンよりチーズが多かった。
自転車で日本一周を経験された方が接客してくださった。
現役でシェルパに乗っているそうで、ここらももうじきバイクは冬眠でバッテリーを外したりするそうだ。面白い。

旧軽を北北西に行けば、三笠→峰の茶屋、白糸ハイランドウェイを走る。
そのまま峰の茶屋→鬼押出し 鬼押しハイウェイへ。
一度走って一生忘れないぐらいの個人的最高ロードだ。

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茶屋はドライブインのようになっており、昼御飯がわりに浅野屋のキッシュを食べる。
すぐそこに浅間山。
陽射しは目に眩しく、風が通り抜ける。
今ここに、私より五感で軽井沢を味わっている者が他に居るだろうか!

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雄大な活火山である浅間山の麓には、浅間記念館というバイクの博物館がある。
戦後に恐らくバイクが庶民の手の届くものになる寸前、ここでバイクレースが多数行われていたらしい。
そのメンバーによる思い出箱らしき博物館の気配だ。

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メグロ500K1P 白バイは初めて見た。

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ヤマハTZ350 1973年のものが強烈にカッコ良かった。

貴重な二輪をたくさん見ることができる。
やはりメグロ、カフェレーサーあたりに目がいってしまう。

館内には管理人の方が一人、陸王プロトタイプRX750が堂々と飾られていた。
キックペダルが自転車タイプ、エンジンフィンが松ぼっくりみたいになっていて面白い。
BSA旧車やカワサキ目黒K2が実走行する貴重なフィルムに見入ってしまう。
W1Sのステアダンパーは面白かったな。

火山記念館?なども併設されているが、施設全体が閑散としていて寂しい。
バブル期に開発されたであろう負の遺産のにおいが…

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昨日走った浅間牧場茶屋まで一直線。
自然の中にいるのに、人間の手の入った雰囲気がどこか異様である。
国道146(通称日本ロマンチック街道)を北上する。

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陽が傾き始めた。
次の目的地はこの道路の先だ。

しばらく進んでいくと、視界は開けていき高原と呼べる大地へ出てきた。


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つまごいパノラマライン。
あまり大々的に宣伝されていないため、今までは、どこがそれなのかわからず足を踏み入れたことのなかった土地だ。
キャベツ畑の黒い土が道の隣にある。
と言うよりは、キャベツ畑の中に網の目のように敷かれたアスファルトを走らせてもらっている感じだ。
土や草、どこから来たのかわからない水を巻き上げながらゆっくりあてもなく走る。

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見渡せる範囲で最も高そうな地点から低い位置を眺めると実に気持ちがいい。
矛盾しているが、限りなく空に近い盆地だった。
気に入ってしまい何度も何度も背景を変えて写真を撮影していると、トラクターが忙しそうに走り回った。
自動車は居ないのにトラクターが何台もいた。


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バラギ湖に出て釣りを楽しむ人々を眺める。
地元は海が近いため、湖なんて小さい頃からほとんど行った記憶がないし、行く理由もよくわからないが群馬県民には行楽と言えば湖なのかも知れない。

その後はどこに行こうかなと考え、とりあえず近場で風呂を済ませることにした。
子供を連れて来るらしい複合施設にある温泉は、北軽井沢の別荘地近く。
足の踏み場もないほど子供が走り回る温泉だったので寛げず、早めに上がる。
施設の周りは私有地の立入禁止区域が多く設定されているので、脱出するのに同じ道を何度も行き来し骨が折れた。

すっかり疲れながらも、群馬県は堪能したので長野の国道18号へ出ることにした。
18号を北上していると、今回初めての新潟ナンバーを目にした。
去年日本一周をしていた時の高揚感が蘇り、錯覚してしまいそうになる。

空腹を抱えながら向かったのは千曲のグーギーズカフェ。
以前からアメカジ系雑誌などで目にしていた店でアメリカンダイナーを期待して来てみたかったのだが、入店するとそれほどこだわりの店内と言うわけでもなく拍子抜け。
どちらかというとカントリー系のインテリアだった。
注文したのは、ジューシーで箸を入れたら肉汁がしみでるハンバーグだったが、こちらもそれほど特徴のない割に値段が高い印象だった。
必死で長所を探してこの結果なので長野北部の物価は、私が思っている以上に高いのかも知れない。
それとも、移動距離を考えて千曲に来たが本店の長野へ行った方がよかったか。

これ以上北へ行くつもりはないので、南下し上田にて給油後ネカフェ就寝。

上田市と言えば真田丸だが、21時ごろのこの街はノーマルマフラーのW650で走るのさえ躊躇われる程、眠れる街であった。
私も深く眠ろう。


走ったルート
道の駅くらぶち→沢村旧軽井沢モーニング→軽井沢駅→千住博美術館→煙事→ミカドコーヒー→白糸ハイランドウェイ→鬼押しハイウェイ→六里ヶ原休憩所→鬼押しハイウェイ→K235→つまごいパノラマライン→嬬恋村→バラギ湖→k112→k235→奥軽井沢温泉ホテルグリーンプラザ軽井沢→r144→r18→千曲→上田

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by aroundjapan | 2018-04-01 01:08 | 2017 バイク旅 | Comments(4)  

Commented by いつかは 夢走 at 2018-04-01 09:36 x
用語註釈1
★燻事 クンジ?エンジ?
(料理人“輿水治比古”が手掛ける『料理としての燻製』を展開。豊かな自然の中で「塩」と「風」と「煙」だけで燻製にした、ひとつひとつ手作りの商品をお届けします。料理をワンランクアップさせる燻製調味料も一押しです。)

澄んだ山の空気に映える浅間山。豊富な木々の抜ける凛とした風。自然のものたちに沢山の呼吸を感じられるここ軽井沢。軽井沢の風とともに煙事の料理をご堪能 ...との事。(引用)
高~い!美味しそう!

★落ち葉の摩擦係数

介在物(落ち葉🍂ペースト状)
レールと車軸

乾燥状態と湿潤状態では、乾燥状態の方が高い。
広葉樹の油分ではなく、繊維質
によるものであることがわかった。
F(摩擦力)=μ(摩擦係数)×P(荷重)ですので、摩擦力は摩擦係数に比例して大きくなることになります。

(静止転がり摩擦係数と動摩擦係数より)。ちんぷんかんぷん!
兎も角、危ない認識が、一番ですね。(笑)
★床スラブ (slab)

建築では、床構造をつくり、面に垂直な荷重を支える板である。コンクリートでつくられているものを特にコンクリートスラブという。
スラブ厚さが200mmならば一般的、
230mmあれば遮音性が高いと考えてもいいでしょう(引用)

?????
ボイドスラブ?
吹き抜け?中空?
・・・・限界!!

★クラック
crack[編集]. 「裂け目」「ひび割れ」のこと。 工業用語。成型された部品や建築物の壁・床などに発生したひび割れのこと。

わかった。🙌

・・・・いつかは
Commented by いつかは 夢走 at 2018-04-01 09:39 x
用語註釈2
日本ラインロマンチック街道が、岐阜県にもあります。
豊中にもありますが、
・・・・違うな。

やはりドイツなんだ!


◎矛盾しているが、限りなく空に近い盆地だった

いい写真じゃん。
朝なら最高だね

★キッシュ
卵と生クリームを使って作るフランス、アルザス=ロレーヌ地方の郷土料理。 パイ生地・タルト生地で作った器の中に、卵、生クリーム、ひき肉やアスパラガスなど野菜を加えて熟成したグリュイエールチーズなどをたっぷりのせオーブンで焼き上げる。

しらな~い。

絵本は、私たくさん集めました。
私が、集めてるのは基本的に
字のない、絵本ですよ。

安野光雅 旅の絵本シリーズ
西村繁雄 おふろやさん

少し字が入る
なかえよしお/上野のりこ
ねずみくんシリーズ

イエルク シュタイナー
変わりゆく風景シリーズ
中国の絵本
等々

アメリカ版フランス版イギリス版等、同じ枡本なのに、各国あつめました。字のない絵本だから、表紙と裏付けだけが、違うだけなんだけど。
字のない、絵本見つけたら教えてくださ~い!

これが私の病気です。

きっと。

・・・・いつかは
Commented by aroundjapan at 2018-04-01 23:56
> いつかは 夢走さん
注釈ありがとうございます。
どこからが専門用語なのか最早わかりません。
煙事は訂正しました。
絵本は機会があれば手に取ってみますね。
Commented by いつかは 夢走 at 2018-04-03 21:38 x
千住博美術館から数分の所に、 軽井沢絵本の森美術館がありますが・・・・。
Kさんは建築に興味が…。
また、行きた~くなりました。
以前・日本列島下半身の美術館廻りをした事を思い出しました。(西日本じゃありません)(笑)
その時は、車でした。
途中バイカー達と逢うことが多く。
ふたりで
いつか免許とってバイクでまた、廻ろうねと約束しましたが・・・・。


バイク・建築・パン・山ガール?
あれは、ユッピーさんか(笑)
皆、元気くれますよね。

私も・・・

・・・・いつかは

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