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東京逗留記#3

雨降りなので電車を使って散歩することにした。
普段から街歩きは嫌いではない。
東京は住んでいた時期に方々へ出掛けていたので、必然的に行ったことのある場所が多い。
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東京大学駒場キャンパスの隣にある、日本近代文学館へ。
意匠に凝っていて、有名建築家作に思えるが違うらしい。

初めて訪れたのは5年ほど前。
ここにはミュージアムショップならぬ、文壇コーヒーという店が併設されている。
当時はまだ開店して日も浅く客も疎らだったが、昨今こういった変わり種カフェは人気があるらしく、店内席は混み合っていたためテラス席にする。

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施設名称を裏切らない、一々文学作品に因んだメニューになっている。
今回注文したのは林芙美子の放浪記より、牛めし十銭。
2017年の物価ではランチセット1150円とのことで、セットのコーヒーも選べる。


牛めしはゴボウの入ったすき焼き風で、半分ほど食べた後さらに卵を溶き入れる。
大根の酢漬けもしっかり味が付いていて美味しい。
味噌汁を探るとアオサ、さらにかちゃと音を立ててしじみの縞模様が見えた。
青森で食べたしじみラーメンのシジミと比べると、箸でつまめないほど小さいが出汁はよく出ていた。


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コーヒーは“日本人が最初に飲んだと言われる”寺山ブレンド(エチオピアモカ、もちろん寺山修司に拠る)にしたが、酸味と苦味の二極という感じで、現代のコーヒーに慣れている私にはとても美味しいと思える代物ではなかった。
よくよく考えるとブレンドはいずれも近代文学全盛、つまり日本でのコーヒー文化の発達以前であったはずなので、次回は無難そうな、何にも因んでいないロイヤルミルクティあたりにしたい。

テラス席には私の奥に一人で読書しつつ喫茶を嗜んでいる男性がいたが、その向こうにいる5名ほどの集団が騒がしかった。
文学館付属のカフェであるのに、その趣旨を解さない大声で話す男女の軽薄さよ。
私の食事と同時に集団は終わって帰って行ったが、顔を見て私より年齢は上とわかり軽蔑した。

カフェで会計すると以前はなかったグッズがいくつも売られていた。
全然欲しない品物だった。
近代文学資料館が2階にあるので見てみようかと思ったが、書籍の閲覧が主で入館料もかかるのでならば移動しようと思う。
ちなみに近代文学館の起こりは、有志による近代文学資料の収集と保存だそうだ。

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私鉄を使って豪徳寺へ来てみた。
雨のせいか、塀の周りがションベンくさい(言い得ているのであえて汚い表現を使う)
境内は意外にも広く、紅葉が綺麗だった。

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豪徳寺といえば招き猫。
謂れを探りたいのだが、有料の展示室の中にあるのか、どうして招き猫が有名なのか結局わからなかった。
個人的には興味が無いので放っておく。

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招き猫が沢山いるのが“インスタ映え”するとかで、雨の中傘を差してまでショ×ベン臭い寺に若い女性が何組もひしめいていたのが異様だった。
そういう具合で、有料の展示室を見る気分も起こらず寺を後にする。

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周辺に金魚を大量に繁殖させている民家があったが、まさか招き猫の餌になるのか…。

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世田谷の住宅街を歩くのは異世界的で楽しい。
世田谷には驚いたことに城があったそうだが、その名残か、道幅が前時代的に狭いまま。
限られた敷地に大勢で一軒家を構えているため、日照や騒音問題…マンションで暮らすよりももっとルールが厳しそうだ。ここが仮に東京都でなければ、空気の入れ替わりのない閉鎖的な町であろう。
戦後も田んぼが多かったらしい世田谷区は、家を建てた世代が一気に年をとって地区活動が成り立っているのか、チラシの貼られた掲示板を見ていると心配になる。
やはり維持や税金・世代交代の事を考えると、人口減の我々世代は一軒家を容易に所有できない…などと思う。

画像の、一軒家に置いてあった家庭用の立体駐車場。
小型の物は初めて目にしたが、製品として販売されていたのだろうか?実働するのだろうか?

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突然緑道が出てきて不審に思い調べてみると、昭和初期に暗渠化された烏山川だった。
地図上で辿ると、上流は千歳烏山や八幡山あたりから来ているのでその辺りは地名に現れているように昔小高い山だったのだろう。
下流は桜で有名な目黒川に合流しているようだ。

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夜は2日連続で横浜へ。
一人で中華街へ来るのも2日連続だった。
弟と夕飯の約束をしたので待つつもりが、誘惑に勝てずエッグタルトを食べてしまい食欲を刺激してしまった。
エッグタルトは180円の割りにとても小さかった。
甘いものを食べたら塩辛いものが欲しくなる人間の性。

中華街に一軒だけ見つけた、ねぎパイ¥200 
数年前に蘇州の道端で買って食べた。現地では熱くなった鉄釜の内側に生地を貼り付けて熱していた。
まさしく小麦粉の焼いた物の味。
目の前で焼いてもらい、ほのかな塩味がして美味しかった。

自然と足が動き、今度はゴマ団子を購入。ビニール袋に入れてもらう。
もう食べてはいけない。

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弟とは、ベイスターズのお膝元で待ち合わせた。
私は関内に行きたい店があったのだが、弟も行きたいとの事で連れて行く。
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こちら、宮崎県日南出身の歌手・鬼束ちひろの弟が開店したラーメン屋。
一応、分類としては鶏白湯豚骨ラーメンという事だがその時点でよくわからない。(すでに一種類になっていない)
さらに味を選べるという事で一番スタンダードそうな醤油に。
700円と言う値段は、豚骨ラーメンとしてはギリギリ許せる上限だが、東京(横浜)にしては割りと安価。

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鬼束ちひろファンと伝え、宮崎に住んでいた話をすると、気さくな弟さんはとても嬉しそうに話してくださった。
さらに姉の鬼束ちひろがコラージュした、というステッカーを差し上げますとのこと。
差し出されたジャックオランタンの容器から選んで、弟もなぜか貰い喜んでいたところラーメンは運ばれてきた。

ラーメンの味は濃厚ではあるが、名前から想像するよりもずっと食べやすかった。
たまに鬼束ちひろも訪れるそう。
美味しいので近隣の方は是非どうぞ。

麺創 蛍(ほたる)
〒2310011 神奈川県横浜市中区太田町中区太田町2丁目 2-26 トーホービル1F
045-264-8707


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by aroundjapan | 2018-01-05 07:26 | 2017 バイク旅 | Comments(0)  

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