おはようございます。
湿り気を帯びた朝、ここは南の島だった。
カーテンを開けると海が見えた。
太陽は登っているようだが、今日も天気が悪いらしくその姿は見えない。
雨が降る前に少し歩きたい。見えている辺りまで行こう。
ベッドから起きたままの格好で手入れのしてある遊歩道を海の近くまで行くと、北の方向に雲がかかっていた。雨を降らせているようで、真っ白になっていた。
体感風速と合わせて頭上の天気はめまぐるしく変化していく。
海の上には雲の切れ間からある限定的な範囲だけ日が差していた。
見えている場所は晴れているのに、背後から雨が降り始めて慌てて宿に戻った。
支度をしたがすっかり目は覚めていたので朝食を食べにレストランへ向かった。
きわめて標準的な朝食が出てきた。多すぎず少なすぎない。
時間はたっぷりあるので島のパンフレットを眺め、よく味わいながら咀嚼する。
同じレストラン内で初老の男女3人組が朝食を摂っていたが、彼らは何を目的に滞在しているのだろうか。
ふと、私がここにいる理由が自分でもよくわからなくなった。
何か特別に見たいものがあるわけでもない。
知らない土地に来ると、いつも何かを見なければならないと力んでいるが、昨日でそれもひと段落した。
見回すと自由に読める漫画があったのでそれを読み始める。
私にしては随分と堕落した時間の過ごし方だった。
ゆっくり過ごすのが目的の旅、というのはしたことが無いかも知れない。
漫画を一通り読み終えると本当にやることがなかった。
雨も止みそうにないがチェックアウト時刻が来るので車に乗り込み、ぶらりと山の上を目指す。
知らない道を走った。
行けるところまで行こうとすると、道はどんどん細くなり、標高は上がっていく。
軽自動車がやっと通れる幅の道路を進む。
雨風はどんどん激しさを増す。引き返そうにも戻れないので用心しながら頂上へ。
野生動物にでも出会いたいところだが、余りの荒れ模様に皆隠れてしまったようだ。
頂上へついても、辺り一面真っ白で霧に覆われたようになっていて何も見えなかった。
素人がエコツアーガイドの真似をするもんじゃない。
低い位置へ降りてきたが、相変わらずの土砂降りだ。
バケツをひっくり返したような雨、とはよく言うけれどここで見る雨はプールがひっくり返ったような雨だった。
トイレに行くために車のドアを開け、ほんの3メートルほど移動したが着ている服も車のドアもぐしゃぐしゃに濡れてしまった。
気力を削がれた私は、エアコンを効かせた車の中でしばし休息をとった。
1時間ほどで天候は回復したので空港へ移動することにした。
海岸のすぐ近くで見た水路が茶色い滝になっていたのが印象的だった。
力強い雨雲は凄いスピードで西の海から上陸して再び東の海へ旅立っていったようだ。
徳之島子宝空港(合計特殊出生率が全国平均の二倍近いらしい)は、飲食店や複数の土産物屋、さらには駅の改札口程度の改札機も擁し小さいながらも空港然としていた。
横幅はちょうどジェット機と同じぐらいの長さだ。小さくてもジェット機発着なところも一丁前である。
複数ある土産物やでレトルト食品などを購入したがどの店もクレジットカードが使えなかった。
さらには個包装されて更に袋詰めされた土産物を、昭和を思わせる鮮やかなハイビスカス柄の包装紙で丁寧に巻いてくれた。
会計をしながら、目の前で何が始まったんだと驚いたが、これが彼女らなりのもてなしに違いないと有難く受け取った。
日本の端の方へ行くと、所々時が止まっていて時空を彷徨っているのかと見紛う。
どんなものか気になる読者はぜひ徳之島へ空の旅をしてみてください。
空港には早めに到着していたので待合所にて小一時間待った。
昼食を食べていなかったのでサーターアンダギー的なものを購入し小腹を満たす。
小雨の中、ジェット機へ乗り込んだ。
あっという間に鹿児島空港に着いた。
車でいそいそと国分に移動し、目当ての店へ。
こちらのヒレカツは抜群に美味しい。
とんかつを食べるまでが鹿児島旅です。
3時間ほどで帰宅し、今回のミステリーツアーはこれにて完結。
今回は1泊2日の短い旅だったがマイルの消化という意味では十分充実した。
以下、リンクを載せておきます。
島料理の食べられるお店
リラクゼーションサロンや民泊もされているそうです。
闘牛会場(闘牛のない時期はビデオで見れます)
宿泊した宿
徳之島エコツアー
ちなみに一気読みした漫画はこれです。(笑)
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