到着したのは徳之島。
ミステリーツアーとは言え、3週間ほど前に行き先と便名は知らせてもらえるので、下調べしておいた。
島の名を聞いたことはあるがテレビに特集されてるのも見たことがないし、主産業は農業で観光地らしいものはこれといってなさそうだが、一泊二日の予定。
梅雨時期なので天気は悪い。着陸時は雨がぱらついていたがレンタカーを借りているので動けなくはない。
ちょこちょこ気になったものを回っていく。
まずは犬の門蓋(いんのじょうふた)。ごつごつしていて黒い。
読み方も分からないし、ただの岩だろと思っていたが起源があるそうだ。昔大飢饉のとき、飼っていた犬が人間や家畜を襲うので個々の海岸から放り投げたらしい。
このあとも何か所かビーチへ行ってみたが、徳之島は砂浜というよりは隆起サンゴ礁でできた硬い岩のような地形でできた海岸が多く広がっている印象だった。
奄美諸島群の食文化を知りたいと思い、「島ご飯」なるものを食べてみたかったので、インターネット上で探した個人商店で食べさせてくれる店を予約していた。
雨でろくにすることもないので、レンタカーで人通りの少ない県道を南下し犬田布地域にある店へ一直線。
10分ほど待たされて畳の上に座ると、バナナの葉らしきものに盛られたいくつものおかず。
グルクンのから揚げ、分厚い葉は長命草の天ぷら、あおさの炒め物、玉子おにぎりには白ゴマや豚味噌が入り、こちらも葉で包まれている。
貝殻に盛られたのはジーマミー豆腐。じゃがいもは徳之島のブランド・春一番だそうだ。
左上はふなやきという小麦粉のデザート、これはちょっと苦手。
このほかに鶏スープなど付いた内容で1500円。
島=地方だからって安いわけではないが、地元民の住宅に入れるいい機会だし、雨で行くところもないのでちょうど良い。
ゆっくり過ごし南の島時間を味わう。食後の茶が渋い。
茶を味わっていると、商店の女主人の孫?らしき男の子の友達が遊びにきたらしく、いい意味での公私入り混じった生活を味わう。
お腹いっぱいになって玉子おにぎりを持ち帰ることにした。
フナムシがすごい速さで歩いていく。
スニーカーを履いた私はサンゴ隆起の尖った面を踏みながら歩み進めていく。折れそうなほど細いが全く動じない。
石灰質のように軽そうだがとても硬い。
中国語の書かれたゴミが所々にはまり込んでいた。突起面から足を踏み外すと水たまりにいるヤドカリを踏みそうになる。
ふと足元から見上げると見渡す限り同じ地形が続く。
釣り人がいた。
見れば見るほど緻密で不思議な地形が広がる。
ミクロであってマクロのような、微生物の世界が宇宙にそのまま繋がっているような不思議な気持ちになる。
水際まで行っても想像がつくし、疲れてきたので引き返す。
ドライブしているといくつもの小規模な牛舎に行き当たる。
徳之島には動物が多い。
唯一の観光資源である闘牛の黒い牛や、民家で飼われているヤギ。島には珍しくないのかもしれないが猫。
戦艦大和の沈没慰霊碑。
岬だから当然だが、野原を蟹が歩いていることに驚く。
小さな身体にハサミを掲げて一丁前に人間を威嚇していることに感動した。
朽ちてしまった遊歩道。駐車場に車を止めて歩いてくる間も、観光地の割にあまりにも人が居ないので、夢を見ているような気分になった。
とりあえずは慰霊のために祈った。
海のそばに何故このような巨大コンクリート構造物を建てたのか問いたい。鉄筋が存分に爆裂している。
駐車場の前に廃墟と化した民宿が放置されていた。
営業されなくなって何年経ったのだろう、海のそばは建物が痛むのも早い。
ヤギと戯れる。青い鳥が歌っている。
島の車はみんな安全運転だ。時速40キロで進む。
荷台に犬を乗せているトラックもいる。犬は荷台の上を左に、右に、飽きるまで往来していた。
ガジュマルの木を見にきた。民家の前で道も細く、車に乗ったままの鑑賞となった。
私の家のベランダにあるガジュマルもいつかマンションを覆い尽くすのだろうか。。
島でよく見たのはUCCコーヒーの自販機。缶ジュースは大きいサイズが基本らしい。内地からの運搬が楽だからだろうか。
島唯一の観光資源であろう闘牛場は本日興行がないため練習場を覗き見た。
農業の時期が終わると闘牛を行う。闘牛の様子は200円払えばビデオで見せてもらえる。
日本中に何か所も闘牛をする地域があるらしい。知らなかったので意外に思った。
闘牛と関係があるか不明だが、島の人が歌う民謡は北海道から来たものだとか言っていた。
これはと目を凝らして起源を知ろうとしても、実はいい加減なものという事も偶にある。
サンゴの骨でできた浜。
宿の近くにあって何度も通った松田商店。
島にはコンビニが珍しく、こういった商店が標準。
フタバというメーカーのアイスを買ってみた。
別館として併設された部屋に通された。
と言っても廊下は外廊下で、内部は狭いビジネスホテルのよう。
清潔さは星三つといった具合だ。不足はない。
併設されたレストラン(というかレストランが主体かもしれない)にて夕飯に鶏飯を食べたが、これがとても美味しかった。
夜はエコツアーに予約していたため、ガイドが宿に来るのを待った。
# by aroundjapan | 2020-04-05 23:18 | 二輪以外の旅行 | Comments(2)